彼氏の上手なつくりか譚





家に帰って、夕飯、お風呂、歯磨きを済ませて、ベッドでうつ伏せになると、真奈に確認してもらったケータイ番号を、真奈に撮ってもらった私の頬の画像と照らし合わせながら、間違いがないか確認した。


「0……んで……6……49っと……よし!」


バッチリだ。3回も確認した。間違いは絶対にない。


電話をかける。もう話すことは決まっている。呼び出し音が鳴っても緊張はしない。


そして、出る。


「もしもし、お疲れ様です。ヒトミです」


あんにゃろー!!


やっぱりヒトミさんじゃねーか! やっぱり間違ってんじゃねーか!


「すみません、間違えました……」


謝って、電話を切ろうとすると、電話越しに、「待ってください!」と聞こえた。




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