愛してるからこそ手放す恋もある
「もう私は前を向いてるの!過去の事なんて今さらどうでも良い!」
「待って梨華!本当に誠は梨華を愛してたの!ただ梨華を手放して弱ってる誠につけ込んだ私が悪いの!私もずっと誠を好きだったから…」
ずっと?
いつから?
私と誠を引き合わせたの悠美だよ?
「ごめんなさい…だから誠はなにも悪くないの!悪いのは私!親友の梨華を裏切った私が悪いの責めるなら私を責めて!」
悠美は涙ながらに訴えた。
「誰が悪いんでもない。みんなが前を向いただけ…そうでしょ?誠も前を向いたから…」
そう、誠も前を向いたから、今の二人が居るんじゃないの…?
「結婚のお祝い贈らなきゃね?じゃお幸せに!」
その場を去ろうと背を向けた時、誠が再び私の腕を掴んだ。
「梨華待ってくれ!やり直せないか?悠美とは別れる家の事も気にしなくて良い。お袋のことも俺が説得するから…」
なんてことを!?
私の肩を抱く彼へ少し待ってて欲しいと告げ、私は誠へと向きを変えた。そして、手を振り上げた。
『バッシン!』
「なんてこというの!?誠?私は前を向いたって、今言ったよね!?もう過去は振り返らない!こんな公道で誰が見てるか分からないのに無責任なこと言わないで!悠美の気持ちは!?悠美のお腹には誠の児がいるんでしょ?」
不安そうにしてる悠美に私はにっこり笑って見せる。そして私は悠美のもとへ歩み寄り「お腹触って良い?」と聞いて悠美のお腹に掌を添える。
「赤ちゃん心配しないでね?」
「梨華…」
「悠美、私も今幸せなの…だから、誠は私への罪悪感で、あんな事言ってるけど、きっとこの子も悠美のことも大切にしてくれる。なにも心配しないで元気な赤ちゃんを産んで?私ほんとに今幸せなんだ!」
昨夜嵌められた指輪を見せにっこり笑う。
「だから、あなた達が私に負い目なんて感じなくて良いよ?悠美も幸せになって?赤ちゃんきっと可愛い子だろうね?美男美女の子だもん!楽しみだね?生まれたら写真送って?お祝い贈るから…」