愛してるからこそ手放す恋もある
昨日、五年前結婚を約束していた彼に会った。
そして彼のとなりには私達を引き合わせた親友。
その親友の左手薬指には彼とお揃いのリングがあり、お腹は大きく膨らんでいた。
そして小野田さんに縋ってしまった。
「おはようございます。今朝は和食にしました。新聞はリングのテーブルの上です。本日、12時30分より○○銀行頭取との会食となってます。その後………」
今日の予定を伝え、そして私の本題に入った。
「申し訳ありませんが、明日より1週間お休みを頂きます」
「はぁ!?1週間?聞いてないぞ!?」
「はい。今、始めてお伝えしました。菱野専務と相談した上で、この時期がベストだと思いまして?」
「なんで祐司と相談してる!?梨華は、俺の秘書だろ!?今回は梨華をボブに紹介するって言ってあっただろ!」
私達の関係は今までとほとんど変わってない。
と、言うより、私が変えてないのだ。
今回は菱野専務が同行されることになりました。菱野専務も今のポジションに就いて、一度本社へ御挨拶がしたいとおしゃっておりましたので、良い機会だと思いまして」
「良い機会ってどういうことだ!?梨華!」
「私もお休みが貯まってまして…私の立場上取らないわけにはいきませんので…ちょうど、兄嫁が二人目を産む為に実家に帰ってますので、代わりに実家の店を手伝うことに…申し訳有りません」
「そう言うことなら仕方ないか…じゃ、その時にでもアメリカ(本社)へ移籍する話しておいてくれよ?」
クリスマスに指輪を頂いた際に言われていた。ボスがアメリカへ帰る際一緒についてきて欲しいと。私はついていくと返事をしている。
「…はい」
「梨華…俺についてくるって決めたこと後悔してないよな?」
不安そうなボスの顔を見ると気持ちが揺らぐ…
一層全てを話してしまおうか…
先月のMR検査で頭に転移が見つかった。その為1週間入院して頭に放射線を当てることになったのだ。
「ボス…1週間したらちゃんと戻ってきますから…」