愛してるからこそ手放す恋もある

病室に戻ると小野田さんの腕とベットをファーのついた手錠で繋いだ。

「おい!何してる!?」

「小野田さんが、また逃げ出さない様にしてるんです!なんせ、小野田さん前科もちらしいですからね?」

小野田さんは以前、何度か病院を脱け出してる。医師とも相談して拘束することになったのだ。

「直ぐ外せ!仕事行けないだろ!?明日からは」

そう。予定では、明日、本社から小野田さんが来日予定になっていた。

「ご心配なく!菱野部長に手を回してもらいました」

菱野部長にアメリカ本社へ連絡してもらい、小野田さんの来日は2週間延びたと、日本本社へ連絡してもらった。

「勝手な事しやがって!」

「ですから、小野田さんはゆっくり治療してください」

「分かったからこれ外せ!」

「それは無理です。絶対逃げますよね?菱野部長も由美さんもどれほど心配したことか…」

私だって心配した。

「で、こんなアダルトグッズで拘束?まさか梨華がSMに興味があったなんてね?」

えっ?
アダルトグッズ…?

知らずとはいえ、アダルトグッズを使ったことに恥ずかしくて、自分でも顔が赤くなるのがわかる。

「っいえ、それは…由美さんから…」

「隠さなくて良いって!セックスの趣味嗜好もひとそれぞれだからな?」

「っだから違います!」

顔を赤らめる私を小野田はいつまでも笑っていた。

絶対仕返ししてやる!




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