愛してるからこそ手放す恋もある
「由美!お前本気で遣るつもりだったのかよ!?」
「あったりまえでしょ!?」
「ざっっけんなよ!?」
「あんたが、ざけんな!!こんな可愛い梨華ちゃん泣かして!良い訳無いだろ!?」
「え?梨華…」
私へ向けられた小野田さんの顔は驚いていた。
「いえ、私は…すいません。売店行って飲み物買ってきます」
あーびっくりした…
まさか、あんなに驚くとは思わなかった。
売店で飲物を買って暫く待合室で座ってた。
「隣良いかしら?」
私の返事を待つ事なく隣へ座ったのは由美さんだった。
「あっはい。えっと何か飲まれますか?」
売店で買った飲み物を見せると「じゃ、お水」と言ってペットボトルを一本取った。
「ねぇあなた浩司の事好き?」
え?
「彼奴の事、うちの亭主から聞いてるでしょ?」
「はい…」
「私達は彼奴に幸せになって欲しいの…普通の家庭をもって家族の幸せをあじわってほしい」
普通の家庭…
家族の幸せ…
「あなたに協力してほしい」
「私に出来ることなら…」