副社長は花嫁教育にご執心


ドレスに合うアクセサリーや小物を検討するのに使うため、今日はドレス姿のまつりを撮影するつもりだったのに、すっかり忘れていた。

あまりの可愛さに、衝動に負けてキスして……そのシーンを写真に撮られてもいいとか余計なことは考えていたくせに、肝心なことを忘れるなんて。

「あの、すみません」

……だけどそのおかげで、もう一度俺の花嫁が見られそうだ。

俺はカーテンの方に声を掛け、「はーい」と返事をした衣装係とまつりに向けて告げる。

「写真を忘れたので、もう一度ドレス着た状態で出てこられますか?」

「えっ……あっ、そういえば」

慌てるまつりの声と、ドレスの素材が擦れる音がする。どうやら慌てて着替え直しているらしい。

本当は俺が手伝ってやりたいけど、さすがにそれは自重しなきゃな。

なんてくだらないことを考えながら、俺は今度こそスマホのカメラを起動させる。

そして、忙しく揺れるカーテンのドレープの向こうから、再び愛しい花嫁が現れるのを待つのだった。








番外編 FIN



< 246 / 246 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:335

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
結婚して実家を出るのが目標なのに、 出会いがあるどころか、 ただの同僚にさえ『真面目ちゃん』とからかわれ、 敬遠される。 マッチングアプリで誰かと出会うのは、 なんとなく気が進まない。 そんな私の前に降って湧いたのは、 社内で最も苦手とするクールな社長との 愛のない契約結婚だった。 「この条件で、俺の妻になってほしい」 ・社内で結婚のことは極秘 ・彼の所有する豪邸で同居する ・お互いを好きになってはいけない ・夫婦生活はナシ 彼に提案された数々の条件は、 私にとっても悪くないものばかり。 のはず、だったのだけれど……。 「きみは俺のものだと他人には主張できなくても、 せめて……ふたりでいる時はそう思わせてくれ」 形を変えていく夫婦関係の中で、 彼の独占愛に甘く堕とされていく。 公開 2026.4.4~
幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
  • 書籍化作品

総文字数/105,848

恋愛(純愛)204ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
三十を過ぎても独身実家暮らしの私。 寂しさに耐えきれず結婚したいと漏らしたら、 幼なじみの彼が提案したのは 恋愛感情を排除した〝友情結婚〟だった。 「お互いの仕事のこともよくわかってるし、親同士も交流がある。 こんな優良物件、なかなかないぞ。俺たちならきっとうまくいく」 「うん。……なんだか私もそんな気がしてきた」 元々信頼している相手だし 今さら彼に男を意識することもない。 そう思って始まった結婚生活だったけれど―ー 「美葉、すごく綺麗になったよ。昔からかわいかったけど、今はもっと」 クールな仮面をかぶった彼の素顔が段々露わになるにつれ 私の心にも、徐々に友だち以上の感情が芽生えて……? ゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.* 恋愛未経験の麻酔科医 雪村美葉(31) × 無感情の心臓血管外科医 高比良洸(31) ゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.*゚*.。.* 幼なじみかつドクター同士の じれ甘結婚生活 2025.12.8~
御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
  • 書籍化作品
表紙を見る 表紙を閉じる
元恋人に何もかもを奪われ 仕事しかよりどころのない私に 勤め先の副社長がなぜか構ってくる 『食事でもどうですか?』 『頑張りすぎですよ』 『…あなたの気を引こうと必死なんです』 この頃男性不審気味だし、 そうでなくても 御曹司とかそういうキラキラした人種は苦手 だから、なんとか ビジネスライクに付き合おうと 思っているのに… 『それでも、俺は美冬さんがいい』 ⊹ ࣪˖ ┈┈ ˖ ࣪⊹ ┈┈⊹ ࣪˖ ┈┈˖ ࣪⊹ 御門ホテルリーシング部 芦屋美冬(29) × 御門ホテル 副社長 御門黎也(27) ⊹ ࣪˖ ┈┈ ˖ ࣪⊹ ┈┈⊹ ࣪˖ ┈┈˖ ࣪⊹ 底なしの溺愛に落ちてしまうのも 時間の問題…? 2025.10.27〜10.31

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop