オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「……あはは、そうだったのかぁ…、ありがとユリさん!ハナシきいてくれて……」


笑ってはみるものの、なんとも空しい。

スッ…と、ユリさんから離れると、その間を風がすり抜けた。

汗が冷たい。

カラダだけじゃなく、ココロまでも冷えていく気がして、慌てて自分で自分を抱きしめた。


「今は、好きな人いないの?花美」

「……?」


両腕を自分の体に巻きつけたまま、ユリさんの方を見ると、ものすごく心配そうな顔をしてる。

そんなに情けない顔してたかな?私。

だから、できるだけ明るく、


「……いるよ?」


って、答えた。
だって、うそじゃない。

そう、もう、ごまかせない。


佐々くんがスキ。

そう思うだけで、ココロとカラダが、ふわっと、暖かくなる。


――佐々くん…


自然と両手が、胸の前で祈るように重なった。


「ふ~ん、あ!あの時のイケメンかあっ!!」

「え?…な、なんで、そうなるの?」


顔を上げると、ユリさんがニヤニヤと嬉しそうに笑いながら、私の顔を覗き込んでる。


「幸せそうな顔しちゃって~、うふふふ…お姉さまに聞かせてもらえないかな~?花美チャン」

「……ぇと…え?しあわ…せ……??」


かぁああああっ!


ちょっ…ちょっと待って!

ウソ、私ってばそんな顔してた?

それに、なんで、そんなに生き生きしてるんですか!?ユリさんっ!!


「も…もう、おしまい!おしまいにしよう?このハナシ!ね?ね!」


私ってば、自慢じゃないけどオンナの子の友達ってほぼいなくって、こおいう会話、慣れてないんだもん。

慌ててユリさんから離れてみたけど…

あ、あれ?

今度は、ユリさんが私をジリジリと壁に追い詰める。

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