嘘つきお嬢様は、愛を希う
「あ……ごめん」
どうして、気づかなかったんだろう。
そういうものは、たいてい聞かれたくないことだと私も分かっていたはずなのに。
優しい野良猫くんたちは「いやいや」と気にしたふうもなく笑ってくれるけれど、さすがに気まずい空気が流れる。
「っ……」
あまりの自分の浅はかさに、胸の奥がぎゅっと苦しくなった──その時だった。
「そうねー、アタシは素の自分で居られる場所が欲しかったから、かしらね♪」
「っ……え?」
唐突に響いた声に弾かれるように顔を上げると、いつの間にか教室の入口に笑顔の瀬良さんが立っていた。
瀬良さんは跳ねるようにこちらへやってくると、呆気に取られている野良猫くんたちに構わず、いつものようにぎゅっと私に抱きついてくる。