嘘つきお嬢様は、愛を希う


「……心の底から気に食わねえツラだな。テメーら全員、一生人前に出れなくしてやるよ」



まるで地の底を這うような凍てつく声音は、味方である俺たちでさえゾッとするものがある。


話には聞いていたものの、俺も三代目が全員揃って戦うところは見たことがない。



「……ねえこいつら……ヤッて、いいの?」



──ああ、そうだ。


まるで壊れた人形のようにゆらりと身体を起こした玲汰さんの声で、不意に思い出す。


そういや柊真さんが総長だった時代……どんな場面でも「あの頃に比べりゃ楽なもんだ」って言ってたな。


こういうことか、と今さら納得する。

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