嘘つきお嬢様は、愛を希う
「……まさか三代目が来るとはねぇ〜……さっすがのワタシでも思いませんでしたよぉ? おかげで総長に殴られたじゃないですかァ……イタイなぁ」
櫂さんの予測通り、とでも言うべきか。
聞けば聞くほど鳥肌がたつ喋り方──龍靭の元総長を筆頭に、比較的戦力の高い幹部と下っ端たちが俺たちを待ち構えていた。
げっ、とあからさまに嫌な顔をしたのはサリさんで。
そんなサリさんを見て、ヤツも心底嫌な顔をした。
「あいっかわらず気持ち悪いね、あんた……」
「あなたこそ、まだ生きてたんですかぁ? とーっくにこの世からおサラバしてると思ってたんですけどねェ」
「あいにく今はピンピンしてるよ。あの頃と違って、本気であんた達の相手をしてやれるくらいには──ね」
サリさんの纏う雰囲気が変わる。
ふわり、と肩で揺れた髪が、一瞬長く美しく風に凪いだように見えた。
そんな伝説の姫を守るように前に進み出た雅さんも、久しく見ないどす黒い闇を放ちながら静かに首を鳴らす。