嘘つきお嬢様は、愛を希う


「君のやることはわかってるね?」


「はっ、はいぃいっ! いってまいりまぁすっ」


「……どうしてああもうるさいのかな。使えないしもう置いてやる義理もないんだけれど」



深いため息をついて、矢倉は私の元にしゃがみこむ。


そして、理月たちが助けに来てくれている──そんな事実よりも、ずっと恐ろしい顔で矢倉は微笑んだ。



「──人質には人質なりの役にたってもらおうかな」

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