嘘つきお嬢様は、愛を希う


「──ちなみにだが」



不意に櫂さんがノートパソコンから視線をあげた。



「今日の夕刻、街角で華鋼の下っ端に絡まれた女の件が少し厄介なことになってるぞ」



え、それってもしかしなくても私のこと……?



「厄介なことってなんですか、櫂さん」



挙動不審になる私を横目で見ながら、風汰先輩が代わりに続きを促してくれる。



「仕入れた情報によれば、どうもその女は絡んできた下っ端のひとりを少々痛めつけたらしいな」


「痛めつけたぁ?」



櫂さんのわざとらしい口調と、天馬のはあ?という目線がぐさりと刺さる。



「おかげで偶然その場にいた雅たちと仲間だと思われた可能性が高い。奴らは非道だからな。弱味を握ったとなれば確実に狙ってくるぞ」



ね、狙ってくるって──。

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