嘘つきお嬢様は、愛を希う
「胡蝶蘭はあくまでも暴走族だ。常識も良識も偽善も何もかもがありながら、その本質は華鋼と変わらねえ。族同士の抗争もありゃ、まったくもって無意味な喧嘩も日常茶飯事だ」
「っ……」
「ここはお前が思ってるよりもずっと怖え場所だ。強さだけが物を言う──お前みたいなチビすけには本来無縁の場所だ。だからこそ、お遊び気分でここにいられんのは困る。覚悟のねえ奴を守ってやるほど、俺は優しくねえからな」
冷たく言い放たれた言葉にごくりと息を呑む。
……もちろん、お遊びなんてそんなつもりは毛頭ない。
ただ天馬に会うためだけに、こんな場所に乗り込んでくるほど私もバカじゃないから。
「私はっ……」
反論しようとした私の声を遮って、理月は「ただ」と静かに言葉を続けた。