嘘つきお嬢様は、愛を希う
『堕ちた』とか。
どうしてそんなことを平然と訊けるの?
いくら顔が良いからって自信過剰にもほどがある。
こんな、こんなヤツに……!
「言っとくけど、私はあんたみたいなのが一番嫌いなの! 覚えておきなさいよ、理月!」
「あ?……なんだテメー、舐めた口聞くじゃねえか」
低い声で放たれた物騒な物言いに一瞬怯みかける。
……けれど、一度走り出した口は止まらない。
「私は総長になんてちっっとも興味ないんだから!」
頬に熱を集めながら半ばやけっぱちに言い放つと、追い討ちをかけるようにべーっと舌を出した。
途端、理月の額あたりがピクンと動き、その顔からまるで潮がひくように笑顔が消える。
「へえ?」と不自然に口角があがった。
「……こんの口減らず女が!」
直後、むにっと頬をつままれて私は面食らいながら理月の胸を押し返す。
「は、はなひてっ!」
「その生意気な口、塞いでやろうか?あ?」
ピキピキとお怒りマークが増えていく私と理月のやり取りを、ポカンとして見守るメンバーたち。
ひとり櫂さんだけは興味深そうに「ほう」と呟いて、ノートパソコンに何かを打ち込みはじめる。