暴君と魔女




「そうですねぇ。これから一生・・・この1年半が霞む程長く一緒に過ごしていきましょうね」


「・・・そんな恥ずかしい言葉よく言えるな」


「望様のお心の代弁です」


「っ・・・、」


「あら・・・違うのですか?」


「ちがっ・・・・わなくもないとだけ言う」


「ふふ、ひねくれ者と素直すぎる私でバランスいいじゃないですか。きっと仲良し夫婦に見えますね」


「もう・・いい。ちょっと・・・黙れ」


「望様、照れていらっしゃるのですね」


「・・・・馬鹿女」




本当、馬鹿で呑気でその言動で俺を惑わす。


相変わらずの魔女っぷりに一生俺は敵わないのかもしれないと落胆するのに隣り合う歓喜。





「・・・・四季・・・・歌ってくれ・・・・」





不意に思いつきそれを口にする。


改めて聴きたいと思うセイレーンの歌声。





「望様と一琉の為であるならいくらでも・・・・」





ふわり微笑み細まるグレーアイに長い睫毛がかかる。


その瞬間が酷く好きだと思った直後に耳に響く歌声。





静かな雪景色に響く歌声に聞き惚れて、腕に絡む四季のぬくもりに浸って一琉の姿を見降ろした。



ああ、きっと、


明日からこの噂は書きかえられるんだろうな。


子供を抱いて徘徊する女の亡霊でなく、こうした家族の姿のそれに。


そんな事を思い軽く笑った。









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