柴犬のお尻愛好会
そう言った途端、副島は足を止めて、顔を輝かせる。
「それじゃ……!」
あ、まずい。
俺も足を止めて、副島を見ながら、どう言ったものか困った。
そりゃ、柴犬もお尻もそれなりに可愛いんだろう。
でも、副島がそこまで柴犬のお尻に熱くなる気持ちはさっぱりわからん。
当然、入部する気もない。
言葉を探していると、「大吾?」と呼びかけられた。
声の方を向くと、野球部でキャッチャーをしている同級生の荒木《あらき》が立っていた。
「荒木、なんでここに」
「なんでって、俺んち、この近くだし。副島さんもこんばんは」
「こ、こんばんは」
副島はよそよそしい感じに頭を下げた。