柴犬のお尻愛好会
自分のことが許せなくて、肘を酷使しないポジションに立つということも許せなかった。
マウンドに戻りたい気持ちは誰よりも強く持っているつもりだ。
そうやって悩んで悩んで悩んで出した結論を、簡単な言葉でひっくり返してほしくなかった。
安易に口出ししてほしくなかった。
俺には、ピッチャーでないと意味がないんだ。
だが、こうやって心の中で吹きすさぶ嵐を口に出すことはできなかった。
どう返事をすればいいんだろう。
困って、視線をさまよわせると、俺の横に立つ副島と目が合った。
副島は心配そうな目で俺を見ていた。
「悪い。俺はもう野球部に戻る気はないから」
副島の手首を持って引く。
「わっ」
突然のことに、副島は驚いた声を出した。