海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。
理科の実験をしているあいだにも、俺は後悔しすぎてフラスコを手から落としてしまった。
割れなかったからよかったけど。
こんなに後悔するなら、恥なんか捨てて“やっぱりほしい”って言うしかない。
うん、そうしよう。
俺は授業が終わるのを今か今かと待ち続けた。
やっと授業が終わったのに、ホームルームがいつもより長くてワナワナしてくる。
「これで終わる。ーーあ、佐久間前にちょっと来てくれー」
おいおいなんだよこんなときに。
ホームルームがやっと終わったのに、担任から呼び出しをくらう。
「佐久間、文理選択で文系を希望していたが、理系の間違いじゃないか?」
俺は3年のクラス編成に関わる文理選択で、文系を選んだ。
たしかに俺は理系のほうが強い。
だけど文系だって普通にできる。
それに、文系に行ったって理系の科目もある。
だからべつにどっちでもいいんだ。
だって、折山さんが文系に進むんだから、来年も同じクラスになれる可能性が高いほうを選ぶに決まってるでしょ。
「いや、文系で間違いないです」
俺はそれだけ即答して自分の席に戻る。
...折山さんがもういない。
担任今だけ恨む。