海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「...律花、どうしたの?ぼーっとして」


「ハッ」


帰り道。


海くんがせっかく送ってくれているというのに、

わたしは“あのこと”で頭がいっぱい。


「なんかあった?」


海くんはちゃんとこうして聞いてくれるんだから、わたしだって素直に嫉妬してることを言えばいいのに...簡単には、言えなくて。


「...3年になって、先生いっつも進路進路って言ってるなあと思って」


そんな当たり障りのないことを返事する。


「俺は県内の大学希望だけど...律花は?」


「わたしも県内の大学に行きたいなって思ってるよ」


「!!よかった。

実は気になってたんだ」


わたしと同じ県内希望でうれしいってことだよね。


そう思ってくれる彼にわたしもうれしくなった。

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