海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


わたしは繋がれた手を引っ張って、ほかの人からは見えない細道にこっそりと入った。


「り、律花?」


「...」


わたしがなにも言わないもんだから、彼は少し驚いたように声をあげる。


「律花、どうし...」

ぎゅ。


彼の胸に思い切り抱きついた。


海くんのにおいがしてすごく落ち着く。


「海くん、すき。

だいすき......」


自然と言葉が出てくる。


ぎゅうーっと思いのままに彼を抱き締める。


「え、え...」


わたしの突然の行動に、彼は戸惑いを隠せない様子。


そんなところも可愛い。


全部好き。

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