海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


「海くんなら、どっち?」


2つにしぼったんだし、最後は自分に決めてもらおう!

そう思ったのに。


「折山さんに、選んでほしいんだ」


どうしてもわたしに選ばせたいようで、

わたしはその要望に答えるしかない。


「そうだなぁ~、

ほんとにどっちも似合うから...」


迷いどころだよ。


「折山さんは、どっちが好きなの?」


ふいに質問され、

「わたし?わたしは...チドリのほうかな」

と軽く返事をすると。


「なら、こっちで」

と彼はまた即答する。


わたしは思わずずっこけそうになる。


海くんはもしかしたら優柔不断なのかもしれない。

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