海くんがわたしを好きだなんてそんなことあるわけない。


左側に海鮮丼やラーメンなどご飯もののお店があって、

右側にスイーツ系がある。


今日は休日だからすごく人が多い。


さっきのエレベーターの中と等しいほど。


「ソフトクリーム、中のほうにあるっぽいね」


「そうだね。

俺、買ってこようか?」


「え、いやいや、わたしも行くよ!!」


そんな召し使いみたいに海くんを扱えないよ!!


てゆかむしろ今日はわたしに行かせてほしいくらいだよ!!


「でも、わたしやっぱり背が低いから、人混みだといつも流されちゃうんだよね」


わたしがアハッと笑ってそう言うと、海くんは小さくクスッと笑って。


「折山さん。

俺から離れないでね?」


となんとも柔らかい口調で言われ、

わたしは0.1秒停止してしまう。

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