【完】キミさえいれば、なにもいらない。
圭介は見た目も派手でとにかくテンションの高い奴、彩香は美空の親友で、大人っぽい姉御肌なタイプ、環は冷静でクールなタイプ。


圭介は読書する俺を見るなり、ギョッとした顔で大声をあげた。


「えーっ!なになに、彼方が読書とか、ウケるんだけど!どうしちゃったのお前」


「なんだよ、バカにすんなよ。俺が読書してたらダメなのかよ」


「だってさぁ、なんかお前最近変じゃない?遊び誘ってもあんま来ないしさぁ。急に付き合い悪くなったっつーか」


そう言われて、否定はできないなと思ったけれど、俺はべつにないがしろにしているつもりは全くなかった。


ただ、他に夢中になることができたから、前ほど遊びたいとか思わなくなっただけで。


「ほんとほんと!付き合い悪いよーっ」


美空も圭介に激しく同意する。なんだか責められているみたいだ。


「あー、わりぃわりぃ。でもさぁ、俺もいろいろ忙しいんだって」


「忙しいって、何がー?」


「色々やりたいことがあんだよ」


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