【完】キミさえいれば、なにもいらない。
その声にハッとして振り返る。
「えっ……」
すると、そこにはカバンを持った一ノ瀬くんが立っていて。
驚きのあまり目を見開く私。
っていうか、変なところ見られちゃった。恥ずかしい。
「い、一ノ瀬くん。なんで……」
「いや、ちょうど今帰るところだったから。雪菜こそ、何してんの?」
そう尋ねられて、一瞬ためらったけれど、正直に話す。
「それが、さっきこの溝の中にバレッタを落としちゃったみたいで、探してて……」
「えっ、マジで?」
「でも、全然見つからなくて……」
それを聞いた途端、地面にドサッとカバンを下ろす一ノ瀬くん。
そして、あろうことか、自分もしゃがんで溝の中を覗き込むと、水面に向かって手を伸ばした。
「え、ちょっと……!」
ウソ。探してくれるの?
――バシャッ。
「えっ……」
すると、そこにはカバンを持った一ノ瀬くんが立っていて。
驚きのあまり目を見開く私。
っていうか、変なところ見られちゃった。恥ずかしい。
「い、一ノ瀬くん。なんで……」
「いや、ちょうど今帰るところだったから。雪菜こそ、何してんの?」
そう尋ねられて、一瞬ためらったけれど、正直に話す。
「それが、さっきこの溝の中にバレッタを落としちゃったみたいで、探してて……」
「えっ、マジで?」
「でも、全然見つからなくて……」
それを聞いた途端、地面にドサッとカバンを下ろす一ノ瀬くん。
そして、あろうことか、自分もしゃがんで溝の中を覗き込むと、水面に向かって手を伸ばした。
「え、ちょっと……!」
ウソ。探してくれるの?
――バシャッ。