【完】キミさえいれば、なにもいらない。
だけど、そんな幸せな気分はいつまでも続かなかった。


冬休みが明けて新学期になったあたりから、急に陸斗先輩からぱったりと連絡が来なくなる。


不安で何度か自分からメッセージを送ってみたけれど、なかなか返事が来ないし、来たとしても今までのように会話が続かなくて。


学校でも話しかけてみたけれど、なぜか少しそっけない。


先輩の態度が今までに比べて冷たく感じる。


そのまま、まともに話す機会もないままどんどん時間が過ぎていって、私はすごく落ち込んでいた。


あの時のキスは何だったんだろう。どうして急にそっけなくなってしまったんだろうって。


前はあんなに優しくて、マメに連絡をくれたり、話しかけたりしてくれていたのに。


うぬぼれていたのが一転、どんどん不安な気持ちになってきた。


私、何か嫌われるようなことでもしたかな?


それとも何かあったのかな?


そんなふうに悩んでいたある日、私は衝撃の事実を知ることになる。


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