【完】キミさえいれば、なにもいらない。
陸斗先輩のそばにそんな女の人の存在があっただなんて、そんなこと全然知らなかったし。


同時に疑問がわいてくる。


じゃあ、私は一体何だったんだろう。


あの思わせぶりな態度は、なんだったの?


あの時のキスは、ただの気まぐれ?


好きな子がいるのに、私をデートに誘っていたの?


他の子にもあんなふうに優しくしてたの?


私はただ、遊ばれていただけだったのかな……?


初めての恋だった。


初めてのキスだったのに。


陸斗先輩にとっての一番は、私じゃなかった。


私は彼の特別なんかじゃなかった。


私が勘違いしてうぬぼれていただけだったっていうの?


私がバカだっただけなの?


ひどいよ、先輩……。


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