3月生まれの恋人〜first christmas〜
『あっれ、シュウ!
オマエ、片思いの女と初デートなんじゃなかったのか?』
余計なセリフをどでかい声でまくし立てる先輩に
彼女が後ろで躊躇するのがわかる。
『今頃どっかで宜しくヤッてんのかって思ってたら!振られたか!』
大声でバカ笑いした後、奢ってやるから座れと先輩は涙目で俺を促す
思いっきり小柄な彼女は俺の背中にすっぽり隠れているから、先輩は彼女の存在に全く気がついていないらしい
『残念ながら振られてませんよ』
・・・出て来なよ。
振り返ってそっと手を引くと、俺の背中からおずおずと彼女が姿を見せた
無論、先輩の目は点
『お、お前っ
なんでせっかくのクリスマスに、よりによっておでんやなんかに連れてくんだよ!』
バカかお前は!
先輩は、一応客な俺に向かって顔を真っ赤にして説教をたれると
彼女には一転してとりあえず座って!と席を勧めた
『いろいろあって、めちゃくちゃ腹が減ったから連れてきたんですよっ』
板切れに釘を打っただけの粗末な椅子にちょこんと腰を下ろした彼女
その、彼女の隣に俺も座った