3月生まれの恋人〜first christmas〜
『お前〜、いくら腹減ったにしたって、屋台はねーだろ、屋台は!』
席についた俺と彼女に皿と割り箸を準備しながら、なおも俺に説教を続ける先輩
喧々囂々と言い合う俺と先輩を、暫くの間じっと見ていた彼女が
『あの・・・』
と、申し訳なさそうに声をあげた
「『なっ何?』」
思いっきり被る俺と先輩
二人の男に見つめられて身を小さく縮めながらも、彼女は、俺と先輩を交互に見つめて言った
『あの・・・いただいても、いいですか?』
すごく美味しそう!
さっきの笑顔を浮かべて彼女はそう言うと
目の前の、山ほど煮えた旨そうなおでんに目をやった
『あ!どうぞどうぞ!
もう、好きなもん好きなだけ食っちゃって!』
あたふたしながら彼女におでんを勧め始める先輩
もしかして、連れてきたの失敗だったかも・・・なんて思う俺
そんな俺の気持ちなどつゆ知らず、彼女はパチンと音を立てて割り箸を割ると
『戴きます』
としっかり手を合わせ、先輩にとってもらったおでんに箸をのばした
見るからに味のしみていそうな、旨そうな大根を箸で上手に切り分けて
口へと運ぶ彼女
「『どう?』」
反応が気になってじっと彼女に見入る俺と先輩