臥薪嘗胆の主



「…っ楼…!」




驚いた顔をする遊佐の前に俺は立った。







「俺もそうだったよ。…でも確かに俺達は一度…憎んでしまったんだよ、遊佐。」








そう言うと、遊佐の目は見開いた。












「…信じてくれなかった先生、かつての友達を。」









遊佐も…俺と同じなんだ。








少し、憎みの心が出てその隙に龍神を憑かせてしまった。








「ちげぇよ…俺は、なにも…」









崩れ落ちた遊佐の肩が震えていた。







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