たった7日間で恋人になる方法
彼にとっては、この程度のことなど、大したことじゃないのかもしれない。
今や仕事もできて容姿端麗の”大人の拓真君”と、この歳までリアルな恋愛経験一つなく特別美人でもないごく普通の私。
考えてみたら、好きだって気持ちだけで浮かれてたけど、拓真君と自分じゃあまりにも不釣り合いなことに気づいてしまう。
その上、この期に及んで、バーチャルとリアルの大きな違いがもう一つあることを、完全に忘れていた。
ゲームの中じゃ、私(自身)だって”、何にでもなれる”…ということを。
可愛い看護師や、お洒落なカフェ店員、才色兼備なCA。
拓真君の隣に並んだって引けを取らないほどの、美貌とスタイルを持つ、”素敵で有能な社長秘書”にだって、簡単になれるんだった。
改めて現実の自分を確認し、一気に落胆する。
『とっておきのローズティを淹れてみた』
新しいティーポットをテーブルに置いた拓真君は、今度は向かい側ではなく、すぐ隣に腰を下ろす。
『…ありがと』
『ん?…まさか、また自分みたいな…なんて、考えてるわけじゃないよな』
下を向いたままだった顔を、覗き込まれる。
『私、専務秘書と付き合うには、あまりにも普通過ぎる…』
『萌の発想は、常にバーチャルな世界観だな』
若干呆れたようにつぶやくと、少し考えながら、逆に質問される。