みだらな天使
ハラリとドレスが足元に落ちる。





「ちょっと、朔っ…」




下着姿のまま、今度はベッドにそっと寝かされる。





朔はシルクのジャケットを脱ぎ捨てながら、私の耳元でこう囁いた。





「…奏の全てが欲しい」




その甘い声にドキドキする暇もなく、キスがこの身に降り注いだ。





この瞬間を、きっと二人とも待っていたんだ。





そんなことを感じるくらい、お互いを確かめ合うように何度もキスを繰り返す。





名残惜しく唇が離れると、朔は片手でネクタイを緩め、外した。




鎖骨が露わになり、ドキッとする。





そして、またキス。





今度は、深く深く。





舌と舌が絡まりあい、ただ本能のままに朔を求めた。


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