短編集 【ストーカー】
・・・・・・・あいつまさか!?・・・
左耳から電車が近づく音を捉える。
それとほぼ同時に、
俺は売店の隅から走り出していた。
「アカネ!!!!!!」
後ろから見ていても明らかだった。
既にホームの先端に立っているのに、
アカネは更に一歩前に出た。
通過電車がそのスピードを保ったままホームに進入してきた時、
アカネは体を投げ出・・・
「!?あっぶねぇ~!!!」
間一髪、俺の右腕がアカネに届き、
片手で後ろから抱きしめると、
そのまま俺の体ごと後ろに倒れ込んだ。