短編集 【ストーカー】
「・・・・・・・・・・・・。」
スマホを見て退屈しのぎをするでもなく、
アカネはホームの先端に突っ立ったまま真っ直ぐ前を見ている。
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・なにか・・・・
・・・様子が変だ・・・・。
「間もなく、2番線に電車が参ります。
通過電車です。
黄色い線までお下がりください。」
ホーム内のアナウンスが特急電車の通過を知らせる。
・・・!?
その時、アカネが持っていたカバンから手を離した。
“ドサッ”っと軽く音を出して、
カバンは地面に打ちつけられる。