だから何ですか?Ⅱ【Memory】
視線すらもくれてやるものか。と、子供じみていると理解の上の態度で突っぱねて、挿し込んだ鍵をカチャリと横に倒したタイミングだろうか。
「っ!!?」
ご丁寧にマフラーを下げ私のうなじに触れてきた指先の冷たい事。
瞬時にゾクリと悪寒が走り、反射的に手で押さえて振り返ってしまった程。
そうして視線が絡んでしまえば『しまった』と、これもまた子供じみた手に引っかかったと自分に不満を抱いて眉根を寄せた。
そんな私にどこまでも楽し気で嬉し気に笑って見せる姿は・・・変らない。
変らな過ぎて・・・気を抜けばうっかり自分の感覚も麻痺して遡りそうなくらいに。
「無視しないでよ。寒空の下ずっと待ってたのに酷いなぁ」
「知らない。勝手に来て勝手に待ってたんでしょ?お得意じゃない」
「うん、お得意。それに待つのは嫌いじゃない」
「・・・・」
「リオだって・・・薄々思ってたんじゃない?俺がこんな風に家の前で待ってる事」
「いや、全然。そういう奴だったって今目の当たりにして思いだした感じ」
「あらら、それは残念」
全然残念がっている顔してないじゃない。
言ったことは本当。
本当にこうして目の当たりにするまでは忘れていたし考えもしなかった。