だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「・・・三ケ月」


『おおう、声だけで俺だって気がついてくれちゃう?』


「ムカつく声だってインプットされてんだよ。ってか、俺に何の用だよ」



本当に今すでに警戒働き苛立ってしまう。


名前を呼んだだけの声音にすら悪意を感じて、俺の反応に楽し気に笑う声混じりの言葉にもピリピリと威嚇してしまう。


こんな俺は多分こいつの思う壺。


落ち着け。と自分を宥めて、椅子の背もたれに身を預けると余計な熱を発散させようと息を吐く。


そんな瞬間、



『特に用はないんだけどね~、リオは電話すると不機嫌になるしつれないんだもん』


「それはそれは、俺には好都合な亜豆の習性だな」


『だから、代わりに伊万里君がかまってくれないかな~って』


「構わねぇよ。仕事中だし、お前だって仕事中だろ?俺から仕事掻っ攫っていったんだから精々集中して俺と亜豆に絡んでくんな」



無駄に絡む気も遊ばれる気もない。


余計な悪戯を仕掛けられたら堪ったもんじゃないと、言葉を待たずに受話器を離しかけたのに、



『リオ、大丈夫そうだった?』



ああ・・・もっと早くに耳から離すべきであった。


そう思ってしまう、小さくも拾い上げてしまった三ケ月の一言に眉を顰め、躊躇いながらも離しかけていた受話器を耳に戻した。


この行動すらきっと過ちで・・・思う壺。


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