だから何ですか?Ⅱ【Memory】



「嬉しかった・・・筈なのにな」


「・・・亜豆?」


「痛かった・・・」


「・・・・」


「好きだと言われた後の【嫌い】は、好きだと言われる前の【嫌い】と感じ方が全然違う」


「っ・・・」


「聴覚から痛くて、視覚でも・・・伊万里さんの表情が痛くて・・・っ・・あんな顔・・させてすみませ・・っ・・『嫌い』なんて言わせて・・ごめんなさ・・い・・」



何だよ、それ。


それじゃあまるで・・・俺の方が痛かったみたいに。


痛かったのはお前なんだろ?


俺の感情任せの葛藤の暴走に痛かったんだろ?恐かったんだろ?



「馬鹿か・・・、何で責めるでもなく謝ってんだよ」



こんな時まで俺優先の物言いするな。


もう泣くな。そんな感じに頬を伝っていた涙を指先で取り除いてやると、キョトンとした双眸が俺を見つめ上げて小首を傾げた。



「だって・・・私に怒ってたんですよね?だったら私が謝る形はおかしくないんじゃ?」


「・・・・・・・・・確かに、」



突っ込まれればその通りなんだが。


でも、怒ってたのはなんつーか、もっとこう・・・違う部分というか何ていうか・・・。


あ〜・・・もう、なんかよく分からん。


分からんけど・・・。


とにかく、亜豆を好きでいるしかないって事は分かったよ。




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