だから何ですか?Ⅱ【Memory】





考えても仕方ない。そう結論付ければ余計な思考は捨てて抱き寄せ腕にじわりと力を込める。



「・・・好きだよ。・・・悔しくも亜豆さんにぞっこんですよ」


「っ・・・」


「これで、・・・痛みの消毒出来たかよ?」


「じゃあ・・・元サヤですか?」


「・・・・・いや、そもそも別れようとか一言も言ってねぇんだけど?」


「そうなんですか?てっきり別れた流れなのかと」


「・・・・」



あっぶねぇぇぇぇ!!!


と、内心心臓が爆発して今更焦る。


いや、別れた方がいいのか?なんて迷いは確かに無きにしも非ずだった思考は認めよう。


でも、それは最悪の結論であって、今この場で別れたつもりは微塵もなかった。


なのに亜豆はどうやら別れたのだと、振られたのだと思っていたらしい。


つまりは亜豆がこの場で引き止めてくれなきゃ、知らない内に終わってたわけだ俺達。


「あのさ、三ケ月の時もだけどな、普通別れる時には『別れよう』的な言葉あるものだから。少なくとも俺ははっきり言うから。勝手に別れたって決めるの無しな?」


「・・・はい。勉強になりました」


「はぁっ・・・亜豆さんには驚かされる」



勘弁してくれ。と、改めて繫ぎとめた存在を確かめる様に抱きしめて、亜豆の匂いや温もりに安堵していた束の間の静寂。



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