だから何ですか?Ⅱ【Memory】
別に野生の勘とか、第六感的な素晴らしい感覚は持ち合わせていないけれど、それでも薄々感じている危機感は間違いじゃないと確信に近い感覚で身に染みて。
どうあってもチラつく姿にとうとう舌打ちを響かせたと同時。
その瞬間を待ちかまえていたように握っていた携帯が小刻みに震えてメールの受信を告げてくる。
亜豆?と、瞬時に携帯を持ちあげて素早くメールを開封すれば文面はない。
だけど・・・、
「っ・・・・」
表示されたのは添付された写真一枚。
写っているのは目蓋をしっかりと閉じ意識を手放している亜豆の姿で、着ている服装は見覚えがある。
今日見たままのコーディネート。
どう考えても撮りたてと言える写真の状況の詳細は少なすぎる。
明らかに分かるのはどこかのホテルのベッドであろうということ。
ホテル特有のベッドメイキングはそうそう崩れを知らないからいつも驚かされる。
人を寝かせた位では僅かな皺しか広がらないのだから驚きだ。
でも、本当にそれしか情報がなさすぎる。
何より問題は・・・これを撮って送ったのが亜豆本人でない事。
「っ・・・三ケ月・・・」
容易に犯人の断定など出来る。
むしろこのメールが来る前からほぼ確信を持ってその存在をチラつかせていたのだから、今この瞬間は答え合わせというところだろう。