だから何ですか?Ⅱ【Memory】
三ケ月の番号なんて当然知らない。
知っていたところで俺の番号は亜豆の登録と照らし合わせれば分かって応答もしてもらえないだろう。
誰か、何か、亜豆と三ケ月の両方と繋がりがありそうな・・・。
何かないか?と頭を抱え込んで思考を巡らせて、堂々巡りでどんどん強まる焦りと葛藤の渦に眩暈さえ覚え始めていた中。
「・・・・・あ、」
不意に静かに浮上した存在。
もしかしたらと思うと同時に足は動きだしていて、すぐ目の前であったエレベーターのボタンを押すと扉は開いた。
乗り込むと迷わず1階へ。
・・・では、なく、この階よりもさらに上。
まだ帰っていないといいんだが。
そんな期待と願望のままにその身を更に浮上させ、小さな空間に身を任せたの1分もないだろう。
浮遊感も僅かな物、すぐに動きを止めゆっくり開いた扉から縫うように身を出すと足早に突き進み。
いつもであるならそれなりに緊張感をもって叩く扉を躊躇いも遠慮もなしにコンコンと響かせた。
『はい、』
中から響いた聞き覚えのある声にはほんの僅か安堵する。
でも、事態が好転したわけでもないそれに長く安堵は継続しない。
返事があったのだからと勢い任せに扉を開いて中に入り込めば、丁度帰り支度の最中であったのか上着を羽織っている海音が呆けた表情でこちらを見つめていた。