だから何ですか?Ⅱ【Memory】
こうしてる間にも無情にも時間は過ぎていって、いつもは気にならない秒針の音が大きく早く響いて焦りが高まる。
そんな俺の心中を見透かしたように、
「とにかく落ち着け和」
「簡単に言うな」
「他に探すあてはないのか?ミケの番号を入手して通話できたとしても場所が分からなければ話にならない。あいつにとってはきっとゲーム感覚で言い当てるか探り当てるかしない限り居場所なんて教えてくれないぞ」
「分かってるっ、」
そんなのは分かってるんだよ。
あいつにとって、どういう意図かは分からずともこれは単なるゲームなんだ。
攫った亜豆をどうこうして見せつけ俺を絶望に落としたいでも、亜豆を手に入れたいでもない。
そんな狂気疼く誘拐劇じゃないと俺も薄々分かっているんだ。
だからこそ警察沙汰にしようとも思って無い。
それでも・・・あいつが亜豆に何もしないという保証もないから心が焦る。
触らせたくない。
触るのだけは絶対に許せない。
でもっ・・・
「っ・・・情報が少なすぎんだよっ。携帯の番号とホテルのベッドって事しか分かんねぇとか、」
「ホテルのベッド?近くにホテル名とか書いてある備品は?」
「そんなの映ってねぇ。ただ、亜豆がメインで、亜豆が寝かされてるのがホテルのベッドだって事しか分かんねぇんだよ」
ほらっ、と送られてきた写真を表示した携帯を海音に雑に押し付ける。