だから何ですか?Ⅱ【Memory】
度々もどかし気にガシガシと頭を掻いて息を吐いていた仕草は分かっていた。
相当鬱憤を溜めて自分の憤りを堪えていたんだろう。
それこそ一発でもミケを殴れば多少は発散されていたであろう憤りの感情は、何とか絶妙な加減で抑え込んでいたけれどとうとう抑えきれずに零れたらしい。
限界だとばかり。
やっぱり面白くないと声を張って、その矛先がミケだけでなくまさかの私も含み。
勢いよく振り返り怒鳴り声で呼ばれた事には予想外もあってビクリと体が跳ねてしまった。
そうして一度意識がこちらに向いてしまえば怒りのベクトルがミケの分も含めでこちらにじわじわ移行し始めている気がする。
うわぁ・・・なんか物凄くご立腹だ。
と、目に見えて分かる不機嫌の姿には色々と罪悪もあってキュンとは出来ない。
普段は滅多に笑う事のない自分であるのに、今という瞬間ばかりは伊万里さんの覇気に怯んで心の伴わない笑みが引きつった形で顔に張り付く。
ギシリ・・・。
ベッドが軋み、縛られて乱され倒れ込んだままであった私にズイッと近づき覗き込んできた姿の恐い事と言ったら。