だから何ですか?Ⅱ【Memory】
何と言うのか・・・。
うん、なんて言ったらいい?
どこか夢でも見ていた様な時間であるのに、手元に残った高そうなワインで現実だと示される。
ようやく緊張感も薄れれば、何事もなかったかのように『ごちそうさま』なんて店員に響かせている亜豆に、
「・・・あれ、誰?」
「・・・何でしょうね。・・・旧友・・が、一番当てはめやすいんでしょうか?」
「いや、『友』とかつく様な親しさには感じなかったんだけど。・・・元彼とかでもないよな?」
「『友』が付きそうにないとか言う癖にそれ以上の関係を疑いますか」
「いや、一応の確認っていうか。再会に喜ぶどころか物凄く厄介事に遭遇したような顔してたぞ。なのに・・・こんな高そうなワイン」
「ああ、それ多分ベラボーに高いですよ。・・・と、言うかまず庶民がそうそうお目にかかれない特別品ってやつじゃないんですかね。シリアルナンバー入りとか」
「っ・・・マジか!?ってか、本当に何者だよあの男」
「天下の大道寺財閥のぼんぼんですよ」
「っ___セレブ!ってか、本当どういう関係なんだお前。サラッと酒奢らせるとか凄すぎるぞ」
「彼が勝手に私に借りを作っているだけです。私は貸しているつもりもないしどうでもいいというのに」
「お前・・・どんな弱み握ってやがる。その借りはこんな高いワインでも相殺できないものなのかよ」
充分に返してるだろコレ。と、恐る恐るワインの包みに触れて確かめてしまう。