だから何ですか?Ⅱ【Memory】




「あー・・・疲れた体に寒さが堪える」



なんだか最後の試練の様だと自分が思う中、周りのカップルはイルミネーションやらクリスマスソングで賑わう街中を謳歌しているのを横目。


ワインなんか飲んだら案外パタリと寝てしまうかもしれないと、すでに若干背後に迫りつつある睡魔の影に溜め息が零れてしまう。


そういえば、当然泊まるのだろうなんて思いこんでいたけれど、亜豆は今夜はどうするつもりだったのか。


そんな思考を巡らせチラリと隣に視線を落とすと、不意に亜豆の手首にかかっている小袋に意識が走ってどこの袋かと確認する様に弄って覗き込んだ。



「何か買ったの?」


「入浴剤です。お気に入りの店に行ったら季節限定の香りが出てたので。・・・入浴剤とか嫌いですか?」


「・・・・・いや、別に」



えっと・・・『嫌いですか?』と確認すると言う事は、俺の部屋の風呂で使うって意味の解釈でいいんだろうか?


いや、風呂を使うのも入浴剤を使うのも別に全く問題でないんだけども・・・。



< 89 / 380 >

この作品をシェア

pagetop