だから何ですか?Ⅱ【Memory】
自分でも煩悩に満ちる自分を阿呆だと突っ込む理性もいる。
でも、最近こうも思う。
恋愛においてはがむしゃらに馬鹿になったほうがその甘さを最大限に引き出せるんじゃないかと。
こんな風に・・・。
人肌恋しい。
いや、亜豆の温もりが。
そんな感覚でするりと指先を絡めて、指の股に亜豆の華奢な指が埋まって落ち着く。
手を繋ぐ若さのカップルでもないだろう。
今までの自分なら目の前にこんなカップルがいようものなら『よくやるものだ』と馬鹿にしていただろうに。
手を絡め取られた亜豆が確かめるようにこちらを見上げたのもわかっている。
「・・・充電」
その一言で充分だろう。
言い訳であり本心であり。
絡めとってその熱を感じて、安堵するのに・・・変だ。
物足りないとも思う。
体が、肌が貪欲になってる。
触れるだけじゃ事足りない欲を共有したからだ。
どんどん・・・欲しくて堪らなくなる。
もう、充電不可だ。
「はぁ・・・お互いに充電機能壊れましたかね」
「っ・・・えっ?」
もしかして声に出していたのか?と咄嗟に口元を押さえてしまった程俺の思考に類似した彼女の言葉に足が止まる。