だから何ですか?Ⅱ【Memory】
「・・・やられました。完全にしてやられました」
そんな響きに思わず小さく吹き出して、クルリと身を返すと今ほど脱いだ下着のTシャツをドラム式の洗濯機に放り込む。
視界に捉えるのは無防備な裸体に赤い下着の上下という亜豆の姿。
ここまでの流れ、寒い帰路を終え、せっかくの高いワインを堪能し酔いつぶれる前に入浴を済ませようという事になった。
てっとり早く暖を取りたいという目的もあったけれど。
とにかく玄関をくぐると風呂場に直行しお湯を張って、荷物を片しワインを冷やしてなんて諸々事を済ませると浴室へ。
すでに浴槽には程よく湯が溜まり、十分に入れるだろうと服を脱ぎ始めたのがつい先程。
そして下着のシャツまでを脱いで今に至るのだ。
『してやられた』なんて、珍しく負けた様な言葉の響きを発した亜豆に、自分が帰路時に思った事が的中かと笑ってしまう。
それを肯定する様に赤い顔で気まずそうにこちらを見ている亜豆だけども、色々と突っ込みたい部分も多々。
だって・・・なんか隠すポイント可笑しくないか?
てっきり、ようやく【一緒にお風呂】に意識して羞恥に落ち込んだ今なのかと思ったのに。
それでいくなら明るみで恥ずかしくて隠すのは自分の体というのが当たり前の反応だと思っていた。
なのに亜豆といえば、よくよく見ればなかなかセクシーが大の可愛い系下着姿は惜しげもなくお披露目で、気まずそうに隠したのは耳まで赤い顔の方。
しかも、隠しているのは口元だけで、両手には買ったばかりの入浴剤やシャンプーのボトルが握られたまま。