うそつき 2
あぁ、私のせいだ、どうしよう。



私が変に泣き虫だったせいだ…。




「ああもうっ、ごめんっ。だから泣くな」




翔くんは焦ったようにそういう。


そう言って床に座り込んでぺこりと首だけ下げる。




「代わりに唯兎くんのちっちゃい頃の話でもしてやるから、もう…」




「教えてくれるの…?」



「え?」




即答した私に驚きを隠せない翔くん。



え、だって、唯兎くんがちっちゃい頃のお話が聞けるんでしょ?



そんな嬉しいことないじゃんね?




「…教えて、くれるの?」



「あ、ああ。教えてやる」



「…じゃあもう泣かない」




この一件を機に、私の中で翔くんはいい人、という印象が確立された。




そのあと唯兎くんが帰ってきて私の涙の跡を見つけて、翔くんにとっても怒っていたけど、それもなんとか落ち着いて、その日の勉強は終わった。
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