幸せの種


琉君らしい文面に、思わず笑った。

落ち着いてるってば、と心の中で返事をしてから、次のページをめくる。


教室へ入ってからの注意事項から始まっている。


『他の受験生のことは気にするな、空気だと思え。千花の得意技でその空気に馴染め』と書かれていて、また笑ってしまった。

『トイレは行きたくなくても行っておけ』などという、まるで過保護な先生のようなことも書いてある。


注意事項が終わり『国語』と書かれたページからは、さすが琉君だと感心するようなことが書かれていた。



『試験開始の合図と共に、まずは問題を全部見る!


「はじめ」って言われたら、まずは問題の冊子を通して見る。

いきなり解き始めるとか、正直言って論外だ。

中にはさっさと鉛筆でカリカリしはじめる人がいるかも知れないけれど、それは気にしない。

全ての問題を見て、ペース配分を考える。

試験の時間は五十分だから、十分を見直しに使うとして、正味四十分。

それをどうやって配分していくか考えつつ、まずはページをめくるように』

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