枯れる事を知らない夢
男の子はそれだけを残して空き教室を出ていった。私は状況が理解出来ずに放心状態だ。転校生って言ってたな。しかも明日から。だから制服が違ったんだ。見学でもしてたのかな?私は特に気にすることもなくお弁当を食べる。
どうせ彼も明日になれば周りに流されるに決まってるんだから。私は今まで通りに過ごすだけだ。

放課後になり教室を出て帰ろうと玄関に向かっていると小山先生が前から歩いてきていた。けれども…小山先生は私に気付いていないかのように横を通り過ぎていった。

ズキっ…

あ…そうか。小山先生も決めたんだね。私を無視し続けることを選んだんだ。うん。小山先生は正しい選択を選んだよ。それが正解だよ。そうすれば小山先生も…誰も傷つけることはないんだから。ただ…私の心に傷が増えるだけの事だ。私はこれを望んでいたはずなのに何で胸が締め付けられるの?なんで…苦しいの?

小山先生の…嘘つき。
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