このチャラ男一途につき…
確かにこれでもかと酸素を奪い尽くしてやったつもりだったのに。
あまりにも完敗すぎて強気だった自分の発言が恥ずかしくなるじゃないか。
少しでも踏み込んで荒らせるなんて思っていた自分の浅はかな事。
ああ、でも……悔しいかな……
俺、このしてやったりで意地悪な吐季の笑顔って好きなんだよな。
……ああ、でも、
「………………吐季、」
「ん?」
「髪……ぐちゃぐちゃ。…ネクタイは緩んでるし…シャツのボタンも外れて………グダグダ…」
「誰がしたんだっつーの」
分かってる。
俺。
自分がやった事だって分かってるからさ。
だから余計に…
「フッ……」
「………」
「クックッ………あー、……なんか…ヤバい」
「………巴?」
「俺の知らない吐季だ」
「っ……」
いつもセットされている髪が無造作に乱れてる。
キッチリとしていたネクタイもボタンもだらしないと言えるくらい。
本質なんてまるで乱せてないのだ。
踏み込んで暴くなんて事には程遠い。
だけど、決して今まで見る事の叶わなかった吐季の乱れた姿には違いなくて。
小さくも自分が踏み荒らして得た初めて見る姿には思わず…
嬉しいとか笑ってしまう。