このチャラ男一途につき…
吐季に触られて気持ち良くないわけじゃない。
触れてくる熱は心地いいし、手の感触はしっかりした骨格を感じるのに柔らかい。
「巴、」
「ん?…んん……」
口づけは回数を増すごとに濃密で、唇が離れる度に吐季の呼吸のリズムが乱れていくのを感じる。
どれも嘘のない吐季のあるがままの反応だ。
それに嘘の反応を作って見せるなんて失礼でフェアじゃなくて。
それでも、無反応さには申し訳なく思い、そんな自分への印象を確かめる様に至近距離にある顔を見上げれば…。
あっ……色っぽい。
初めて見た。
吐季の唇が弧を描かないところを。
こんな風に切なげに眉を歪ませるところを。
息を乱して心底物欲しそうな貪欲な目をするところを。
いつもの整ってスマートな印象皆無だ。
髪は乱れて汗ばむ肌に不規則に張り付いて。
表情だってどこまでも本能があるまま。
なのに、その意識の中にしっかりと自分の存在があるのだと鮮明に示して見つめ、己の欲に没頭した姿を見せつけてくるのだ。
そんな姿に、あ、しまった……。と、
そう気づいてしまった事に後悔する。